3月21日、映画作家の青山真治監督が亡くなりました、57歳でした。 監督の出身地、北九州を舞台とする『Helpless』『EUREKA』『サッド ヴァケイション』は衝撃でした。 関門海峡の空撮は、ドン・シーゲル監督『マンハッタン無宿』のようなかっこよさでした! 下関が舞台の『共喰い』も、ロケ地は北九州だったそうです、シャッター通りのスナック街は...
2022-05-28
鹿児島本線で思い出すのが、大岡昇平の小説『帰郷』です。 「大阪から和歌山へ行く電気鉄道は二本ある。」 南海鉄道と阪和線。 紀の川に滑り降る車窓の景観が楽しいから、「愛好する」のは阪和線だそうです。 その異様な「地形描写」が記憶に残ります。 KBCシネマで映画を見た夕べ、福岡から基山への帰路は2ルートあります。 西鉄...
2021-12-25
新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワーク、リモートワークが広まっているようです。 「広まっています」と断定的に言えないのが、残念ですが、自分自身またお客さまの現状です。 IT技術を活かすことは、少なからず意識してやってきたと思います。 初回面談時一度切りどころか、リアルには一度もお会いしたことのないお客さまもいらっしゃいます。 202...
2021-05-15
2018年、探偵・沢崎が主人公のハードボイルド小説『それまでの明日』(原尞)を読みました。 もう二度と読めないのでは、とあきらめ半分だったそれは、同シリーズ14年ぶりの新作でした。 同じく新作を待ち焦がれている2つのハードボイルドのシリーズがありました。 16年待ちのアルバート・サムスンと5年のマット・スカダーです。 2020年末、不意打ちで、そのうちのひとつが出版...
2021-01-16
昨年末、映画監督・小谷承靖の訃報は、日経には掲載されなかったようです。 約20年前、知る人ぞ知る緊張感漲る劇場、浅草新劇場で見ました。 『ザ・ゴキブリ』 スクリーンに、もみあげグラサンの渡哲也が投影されたのでした。 その前編『ゴキブリ刑事』は、後日、文芸坐2で見ました。 その渡哲也も亡くなりました。 『仁義の墓場』を初めて見たのは、川崎国際1でした。 もっ...
2021-01-09
著者にウイルスについて書かれている小説があったはず。 読み直したところ、本書にありました。 雪の日、また雨の日の会話の中で。 日常に死が侵食しその境は不意に崩れ落ちます。 ばんえい競馬から、航空機事故、自動車事故への連鎖は戦慄的でした。 作中繰り返される「マーゴール・ミッサービーフ」というつぶやき。 周囲至るところに恐怖あり、という旧約聖書の言葉です。 言葉、死など捉...
2020-12-26
中小企業庁の事業承継ガイドライン、事業承継の3手法として、以下のものが挙げられています。 「親族内承継」「従業員等への承継」「M&A」 経験的には、まずは親族内、それが困難な場合は従業員等、というように考えられるようです。 従業員「等」とあるのは、社外の後継者候補も含むためです。 なお、多くの中小零細企業の場合、M&Aの成立はかなり困難に思われます。 &nbs...
2020-07-11
坂本菜の花さんの沖縄の記録が、書籍と映画になりました。 菜の花さんは、ひとり故郷の能登をはなれ、沖縄の高校に通いました。 その日々の記述は、詩人アーサー・ビナードの帯文が記すように、発見と実感の記録でした。 自ら動き話し感じ書いているから、血肉の通った記録となっているのだと思いました。 バス停でおばあさんに話しかけられる挿話に、生きた沖縄を感じました。 ...
2020-07-04
残りの2本は、まさしくクラシック。 『ビリー・ザ・キッド』(キング・ヴィダー) 『人生劇場 飛車角と吉良常』(内田吐夢) どちらもアウトローの映画です。 義侠心ある主人公、ビリー・ザ・キッドと飛車角。 ふたりには、年の離れた理解者、パット・ギャレットと吉良常がいます。 何度もリメイクされています。 まずは、ビリー・ザ・キッド。 いまま...
2020-01-11
まずは、近年(と言ってもぎりぎり2010年代)の2本。 『女っ気なし』(ギヨーム・ブラック) 『寝ても覚めても』(濱口竜介) 2011年の『女っ気なし』の上映時間は、わずか58分。 そのコンパクトさを感じさせない充実度でした。 映画評論家の藤井仁子さんを引用させていただきます。 “5泊6日の出来事”が”あたかも一季節にわたる出来事であるかのよう” 男女女の3人...
2020-01-01