『石を放つとき』(ローレンス・ブロック)|佐賀・福岡の税理士タマツ

2021-01-16

『石を放つとき』(ローレンス・ブロック)|佐賀・福岡の税理士タマツ

2018年、探偵・沢崎が主人公のハードボイルド小説『それまでの明日』(原尞)を読みました。
もう二度と読めないのでは、とあきらめ半分だったそれは、同シリーズ14年ぶりの新作でした。
同じく新作を待ち焦がれている2つのハードボイルドのシリーズがありました。
16年待ちのアルバート・サムスンと5年のマット・スカダーです。

 

2020年末、不意打ちで、そのうちのひとつが出版されました。
表題作がそれ、ローレンス・ブロック作、マット・スカダーものの新作です。
過去のアンソロジー等に収録されていた短編と新作中編という構成。
長編ではありませんが、懐かしい人物の再登場等、長寿シリーズならではの楽しみ存分でした。

 

同シリーズ6作目の『八百万の死にざま』を初めて読んだとき、中学生でした。
アルバート・サムスンの初登場作『A型の女』もそのころだったと思います。
沢崎登場の『そして夜は甦る』は、大学生になって。
3人の探偵は40歳前後、10代の若造にはおじさん過ぎました。

 

それから30年、ハードボイルドにすっかり参ってしまったのは、中年になってからでした。
一気に再読再々読、探偵たちの年齢にも、ようやく追いつきつつありました。

 

ところが、本作のマット・スカダーには、ずいぶん置いてけぼりを食ったようです。
しばしばひざの痛みをこぼすほど、相当に年齢を重ね、すでに初老の趣き。
この長かった物語(長編だけで17作)もいよいよ終盤か、と思いきや。
なんと! 口あんぐりの健在ぶりに、お楽しみはこれから、なのでした。

 

 

 

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