新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワーク、リモートワークが広まっているようです。
「広まっています」と断定的に言えないのが、残念ですが、自分自身またお客さまの現状です。
IT技術を活かすことは、少なからず意識してやってきたと思います。
初回面談時一度切りどころか、リアルには一度もお会いしたことのないお客さまもいらっしゃいます。
2020年コロナ禍のなか、相続税案件さえ、最小限の面会で申告を終えました。
とはいえ、現実には相手次第、対応できないというお客さまには旧来のやり方のままです。
月一度の訪問、税理士業では唯一の現物商品と言っていい書面での納品……。
そこに、たいへん刺激的な書籍でした。
著者は1972年生まれ、同世代の税理士です。
“独立して13年、ほぼリモート体制で仕事をしている”とのこと。
特に「複合機不要」、「電話禁止」という提案は、ショックでした。
FAXの受取・送信のために出社していたのでは、リモート経理は不可能です。
お互いに相手の仕事に割り込むことになる電話も、仕事の効率化を阻害します。
相続税申告では大量の書類をスキャン、コピーすることもあり、深く考えずに複合機を導入しました。
税理士会からFAXを必ず備え付けるよう、指示があったこともあります。
書類削減を心掛けるようになり、また費用等を考えると、必要不可欠とは思えなくなっていました。
相続税の電子申告対応や税理士会の現支部長がメールでの連絡に改善してくださったことも追い風です。
これは近く実現させたいと考えています。
もうひとつの提言、電話の禁止は、かなり抵抗があるかもしれません。
お客さまとの関係を考えると、難しく考えられるからです。
そこで提案されているのは、現実的なアイデアです。
「こちらからの連絡はメール」、「メールはすぐ返信」ということです。
一気に変えることは難しいかもしれませんが、積み重ねにより、考え方は理解いただけると思います。
ところで、「時間外メール禁止」という考えも腑に落ちます。
いつでも・どこでものリモート経理ゆえの働きすぎを、ルール化するということです。
たとえば、週末、深夜早朝のメール。
お客さまのプライベートの時間に割り込むことにならないでしょうか。
こちらもすぐにでも実行したいと思います。
考えてみれば、本書の基本的な考え方は、お客さまの若い経営者の方たちの多くはお持ちのようです。
クラウド会計ソフトのfreeeはお客さま対応により使い始め、決済等のアイデアはその取引から学びました。
旧来の月一訪問へのこだわりも、逆にリモートを提案いただいたことで、目を開くことになりました。
コロナ禍にかかわらず、本書の提案と若い経営者たちの考え方を、これからの仕事に活かしていきたいです。
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