中小企業庁の事業承継ガイドライン、事業承継の3手法として、以下のものが挙げられています。
「親族内承継」「従業員等への承継」「M&A」
経験的には、まずは親族内、それが困難な場合は従業員等、というように考えられるようです。
従業員「等」とあるのは、社外の後継者候補も含むためです。
なお、多くの中小零細企業の場合、M&Aの成立はかなり困難に思われます。
ここで挙げられていない手法として、事業承継ファンドの活用があります。
最近、お客さまからも、しばしばそのお話を伺います。
ただ、既存の仲介ファンドへの評判は、必ずしも芳しいものではないようです。
その理由としては、転売前提の短期的な承継となることへの懸念があります。
結果的に、これらのファンドが対象とするのは、“利益が取れる上位1%企業”と考えられるのです。
その点、本書で紹介されるYamatoさわかみ事業承継機構の考え方に期待しています。
同機構が提案する3つの仕組みは、以下のとおりです。
・ 短期利益を求めない仕組み
・ 自ら目利きする仕組み
・ 経営を簡単にする仕組み
ここでユニークだと思ったのは、経営を簡単に、というところです。
“経営シェアリング”というアイデアは、ぜひ本書で確認いただきたいと思います。
“簡単に”ということは当然ないでしょうが、心強い味方になってくれそうです。
日本における長期投資のパイオニア、さわかみ投信の志しを引き継ぐ同機構に注目しています。
(もっと小さな会社も利用できるようになってくれればいいのですが。)
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