『剣術修行の旅日記 佐賀藩・葉隠武士の「諸国廻歴日録」を読む』(永井義男)|佐賀・唐津の税理士タマツ

2016-06-11

『剣術修行の旅日記 佐賀藩・葉隠武士の「諸国廻歴日録」を読む』(永井義男)|佐賀・唐津の税理士タマツ

多くの映画で見ました、禁欲的な武士、苦難の旅、死を賭した剣術修行。
この本は、そんな思い込みを、さわやかに覆してくれました。
江戸時代末期、佐賀、鍋島家の武士・牟田文之助の日記を読み解きます。
2年間にわたる修行の旅の記録です。

 
剣術修行の武士たち、稽古ののちは夜ごとの酒盛りです。
名所旧跡、温泉を巡り、寄席、祭り、吉原、黒船、火事、相撲を見物。
親友となる上田藩士・石川大五郎との奥州行、切ない別れもありました。
旅の途上、他藩士との活発な交流もあったのです。

 
著者によると、当時は、現代とは比較にならないくらい言葉の地域差が大きかったそう。
文之助は佐賀弁しか話せません。
それでも意思疎通ができたのは、一種の共通語である武家言葉のおかげでした。
ただ、いまでもそうですが、術語は便利で、また安易です。

 
相手が庶民の場合は、事情は違いました。
国見峠を越えて現在の宮城県から秋田県にはいったときのこと。
一帯の人々の言葉は外国人としか思えなかった、そうです。
問題は、言葉だけではなかったのかもしれません。

 

 

 
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