「この大いなる残飯よ!」(山下惣一)|佐賀の税理士タマツ

2017-01-21

「この大いなる残飯よ!」(山下惣一)|佐賀の税理士タマツ

日本で出るごみの量は、年間3億7,000万トン。
10トンダンプで地球11周分だそうです。
スケールが大き過ぎて、なんだかよくわかりませんが。
しかもそれは、本書が書かれた25年前のことです。

 

著者は、ごみのなかでも厨芥、つまり残飯の出処を追います。
たとえば、白髭おじさんの唐揚チェーン店。
調理場のロスは、POSシステムで2パーセントに減りました。
出すところから調べると、万事この調子。
残飯は出していません。

 

だとすれば、どうして?
当時の都知事は、緊急事態を宣言したのでしょう?
ごみは間違いなく増えているのです。
見方を変える必要がありました。
「玄関からではなくて、勝手口から覗く」のです。

 

残飯養豚です。
かつては九州でも、養豚は先進的な農業と考えられていました。
なんといっても、残飯ゆえに、えさ代がタダなのですから。
ところが、ある理由から、それはもはや絶滅寸前とのことです。
そこに、現在も解決できていない問題を見ます。

 

都市近郊農民にとっての死活問題、新生産緑地法です。
農地を宅地に転用した場合、遡って宅地並課税するというもの。
宅地供給政策として、農業を続けるかやめるかの判断を迫ります。
続けられなかった場合、相続税6億8,000万円という事例も。
かつて都市を浄化した農村を、いまや都市は侵食しているのです。
残飯を端緒に見出したのは、都市化による日本農業の破壊でした。

 

山下惣一は、唐津出身の農民作家。

 

 

 

佐賀の会計・税務は税理士事務所タマツ(田松貴志)にお気軽にご連絡を!

This entry was posted in ちょいユルブログ. Bookmark the permalink.