小さな会社|佐賀・唐津の税理士タマツ

2016-07-16

小さな会社|佐賀・唐津の税理士タマツ

会社といっても、民家の軒先にバラック建ての事務所を付け足しただけの小さな構えで、社員も二十人足らずだ。

 

『動機』(横山秀夫)に収録の短編、「逆転の夏」からの引用です。
この文章、すこし引っかかりました。
特に20人に満たない社員というところ。
その程度では、会社未満、とみなされているみたいだからです。

 

東京で2軒、福岡で1軒、税理士事務所等に勤めました。
全部で70~80社ほどの会社を担当しました。
20人超の社員がいる会社は、15社程度だったと思います。
家族経営、なかには社長おひとりということもありました。

 

中小企業庁の統計(下記参照)によると。
大企業 1万者
中規模企業(従業員 製造業等20人超300人以下、卸売・サービス業5人超100人以下、小売業5人超50人以下) 56万者
小規模事業者(従業員 製造業等20人以下、卸売・サービス・小売業5人以下) 325万者
(正確には、資本金も考慮しなければなりません。
またこれらには、個人事業者も含まれています。)

 

たとえば、製造業等の場合。
従業員20人超の会社は、大企業1万+中規模企業56万=57万者。
同じく20人以下の小規模事業者は325万者、20人超の5~6倍です。
(ちなみに、小規模事業者のうち法人は128万者。)
製造業等以外の業種は、さらに多いということです。

 

新聞記者だったという著者のこと。
こうした中小零細企業の事情については知っているはずです。
上記では、主人公の認識を代弁しているのでしょう。
そして、これが大部分の人の見方なのだと思います。

 

一般に中小企業とみなされているのは、「大きな中小企業」なのでしょう。
しかし、税理士にとっての中小企業は、その多くが「従業員10人未満の小さな会社」です。
(大きな税理士法人などでは、また事情も異なるのでしょうが。)

 

がんばっている小さな会社があります。
経理部がないどころか、社長自ら事務をしなければならない会社。
大きな会社の何倍もの業務を、少人数でこなしています。
そんな小さな会社のお手伝いこそ、自分の仕事なのだと思います。

 

2016年版 中小企業白書概要(中小企業庁)
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/h28_pdf_mokujityuuGaiyou.pdf

 

2016年版 小規模企業白書概要(中小企業庁)
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/h28_pdf_syouGaiyou.pdf

 

 

 

佐賀・唐津の会計・税務は税理士事務所タマツ(田松貴志)にお気軽にご連絡を!

 

(注) 当サイトの情報は原稿執筆時におけるものです。

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